ゼロゼロ食品の実態

私の場合、ネーミングとかで買っているから、POP系はあまり気にしてません。
(ネーミングで気にするとしたら、地産地消とか地場生産ものです)
実際は、香料とか酸味料も複数使っているのをまとめて香料、酸味料としているようです。

yahooニュースより

『ゼロ食品氾濫が映す、食品表示の後進国ニッポン』
東洋経済オンライン 1月28日(金)10時51分配信

後れを取る日本の食品表示体系
 「カロリーゼロ」や「糖質ゼロ」などを明記した「ゼロ食品」ブームが続いている。この1月、調味料メーカーのピエトロはドレッシングの主力商品で「ゼロ表示」を始めた。ふた部分に「コレステロール0(ゼロ)」という文言を追加。昨年6月からライトタイプの商品で試験的に実施したところ、売り上げが10%アップしたのを受け主力品での表示に踏み切った。「中身は同じなのに売り上げが伸びるのは異例。ゼロ表示の効果は非常に大きい」と池田邦雄取締役は驚く。

依然複雑な食品表示行政

 実は同社のドレッシングには従来からコレステロールが含まれていない。それでもゼロ表示を始めた理由を「ゼロ表示が流行する中、当社の製品も表示できるものはないか探した結果」(池田取締役)と説明する。

 消費者の健康志向が高まる中、特定成分をなくしゼロ表示を採用する商品もあるが、最近では元来含まれていない成分のゼロ表示も目立つ。

■元来含まない成分の「ゼロ表示」が増加

 2009年にアサヒ飲料から発売され、ヒット商品となった「三ツ矢サイダーオールゼロ」もその一つだ。商品ラベルには「カロリーゼロ、糖類ゼロ」に加え「保存料ゼロ」と表示。しかし、食品添加物協会では「近年の炭酸飲料の製造設備では微生物が繁殖しにくいため、保存料は使用されないのが通常」と指摘。実際、競合他社を見ても、保存料は日本コカ・コーラ社の一部製品で使用されるのみだ。

 アサヒ飲料はあえて「保存料ゼロ」と表示した理由を、「衛生管理の点から炭酸飲料の保存料は元来含有されているものと認識している」と回答。技術の進歩と説明するが、1884年発売の「三ツ矢サイダー」も保存料は未使用だ。アサヒ飲料はホームページ上でミネラルウォーター商品にも「カフェインゼロ・カロリーゼロ・糖質ゼロ」と表記するなど、ゼロ表示を多用している。

 “過剰”なゼロ表示への葛藤もある。複数の植物油製品に「コレステロール0」と表示するJ-オイルミルズ。コレステロールは動物性油脂には含まれるが、植物性油脂には基本的に含まれない。品質・環境部長の横溝和久氏は「元来ないものをゼロ表示で強調するのは、誤解に付け込むマーケティング手法だという認識はある。できればこんな表示はなくしたい」と胸の内を明かす。

 そもそも植物油がコレステロールを含むかなど、各食品の成分を詳しく把握できている消費者は少ないだろう。こうした中、他商品に対して技術的優位性がないにもかかわらず、著しく優良であると誤認を与える表記は景品表示法で禁じられている。農林水産省も、ゼロであることの安全性が科学的根拠に乏しい表示で消費者の誤認を招くことは不適切だ、との見解を発表している。

 それでも、消費者庁は沈黙を貫く。「著しく優良と誤認されるか否かは一定の基準で判断する」(表示対策課)とし、これまでゼロ表示への処分はない。今後も「ゼロ表示が増えているという認識はあるが、個別事例の調査をしているかどうかは言えない」(同)と答えるのみ。

 食品表示に詳しい群馬大学の高橋久仁子教授は、こうした現状を「メーカーに対して手ぬるい対応。消費者の知識不足に付け込む表示には厳しく対応すべき」と憤る。

■栄養成分表示すら任意 先進国と大きな隔たり

 ゼロ表示の問題は氷山の一角にすぎない。下表のとおり、日本の食品表示基準は、他国と比べ規制が緩い。

 栄養表示がメーカーの任意なことに加え、食品添加物表示でも、日本では複数の添加物を「乳化剤」など一括表示することが可能。主要原材料の%表示も必要ない。海外の表示規制と比較すると、日本では消費者への情報提供は乏しく、ゼロ表示のような誤解を与えかねない表示には、規制が不十分なのは明らかだ。

 なぜ日本の食品表示はこんなにも世界基準と懸け離れているのか。

 食品コンサルタントで世界の食品表示に詳しい藤田哲氏は「国連では、食品表示を消費者の健康保護、公正な貿易の確保と定義。他国はそれを受け早くから食品表示に関する法案を一本化してきた。一方、日本では生産者目線の行政が長年続いてきた」と指摘する。日本では食品表示をめぐる法律が目的によって複数存在し、監督省庁も複数にまたがる。複雑な管理体制の是正に向け、09年に消費者庁が発足したが、法体系は旧来のままだ。

 罰則規定も緩い。韓国や米国では違反後に即刻、罰則が適用される。だが日本のJAS法では、指導、指示、命令、罰則の4段階に分かれている。業者名の公表を避けるため「指導」処分に軽減する例も過去には見られた。結果、日本で業者名の公表に至る件数は50件前後、韓国では年間1500件程度とその差は歴然としている。

 消費者庁は「食品表示の国際化」を目指し、昨年12月から栄養成分表示の検討会を実施。だが、議論の中心はトランス脂肪酸含有量の表示と栄養成分表示の義務化にとどまる。藤田氏は「厳罰化や主要成分の%表示など、先に手をつけるべきことは多い」と“本丸”に踏み込まない国際化に疑問を投げかける。

 メーカー側に甘い表示規制のあり方を根本的に見直さないかぎり、消費者目線の食品表示の実現は遠い。

(麻田真衣 =週刊東洋経済2011年1月15日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

最終更新:1月28日(金)10時51分

2 Replies to “ゼロゼロ食品の実態”

  1. なるほど〜消費者は知識不足ですか

    その道のスペシャリストじゃないと分からない事なんですね
    だって化粧品でも無添加と打ち出してますが防腐剤的な物を入れないと売れない決まりがあるはず

    なぜ…(-.-;)無添加と言えるのか分かりませんが

  2. 知識不足というよりは無知に近いと思いますし、安全性や栄養などには無関心な消費者が圧倒的だと思います。

    安全は無料(ただ)という意識が堅固なのは日本の商工者の真面目な努力が培ってきた信用の賜物という側面は否めないと思いますから、お互いさまなのかも…。

    でも、その無知、無関心ゆえに『低カロリー』『コレステロール0』の合成油に植物油が劣性と消費者が誤った判断をするのですから、『常識』の再提示は必要だと思います。

    問題なのは『新手法』などと誤認させるような詐欺的表示だと思います。

    >のんママさん

    原料の精製過程を除けば『無添加』は可能だと思いますよ。

    ただ、多くの『無添加』は「旧表示義務の添加物は無添加」だと思います。

    『添加物』の一般的なイメージは『本来不必要なのにメーカーの利益のために添加しているもの』だと思いますが、例えばスクワランだと、精製して出来たスクワランか添加したスクワランかはあんまり気にしないようですね。

    結局は自分の肌でしっかり判断するしかないと思いますが、その前に原料表示くらいはちゃんと確認した方がいいですよねぇ…。

    肌にマイナスなものを本気で薦める美容部員さんなどの肌を見るにつけ、無知って結局は無関心だということだから、罪なんだよなぁ…と思います。

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