【報道】TDLの節電対策

『東日本大震災 TDL 再開後もさまざまな節電対策』
毎日新聞 4月23日(土)10時47分配信

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営業再開に合わせ15日に復活した東京ディズニーランドの昼のパレード=千葉県浦安市で、谷多由撮影
 千葉県浦安市の東京ディズニーランド(TDL)で23日から夜間の営業が再開され、電飾満載の人気イベント「エレクトリカルパレード」も復活する。28日に再開する東京ディズニーシー(TDS)と合わせた電力消費量は「東京ドームの10倍」とされるが、運営するオリエンタルランドはさまざまな節電対策と自家発電により、夏の電力不足を乗り切ろうとしている。

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 パレードは、ミッキーマウスやミニーマウス、シンデレラなどのキャラクターが乗った電動フロート(山車)が29台登場する。きらびやかな電飾が特徴だが、1台ずつ蓄電池を搭載。電力需要が落ちる深夜にバッテリーを充電し、運行中は電力を消費しない。同社広報部は「電力需要のピーク時に負荷をかけるようなことはない」と語る。

 同社は15日にTDLを再開する裏側で、節電努力を重ねた。営業時間を通常より4時間短縮して午後6時閉園とし、園内ではエスカレーターや噴水を止め、トイレのハンドドライヤーも使用中止。一方、アトラクションは補修中の「ビッグサンダーマウンテン」以外、平常通りだ。広報部は「体験価値を低下させないよう工夫している」。来園者の目に触れないオフィスやバックヤードは徹底して照明を落としているという。

 一方、敷地内には太陽光や天然ガスの自家発電設備がある。総出力は約3000キロワット。この夏さらに30億円を投資し、出力5000キロワットのガス発電機3台を増設する。自家発電能力は計1万8000キロワットとなり、消費電力の25%以上を賄う。これらの節電と自家発電で政府の節電目標を達成できる見通しになったという。

 同社によると、東日本大震災で園内に大きな損傷はなかった。破損したTDSの音響タワー1本を撤去し、液状化した駐車場の一部を補修。震災の1週間後には元通り営業できる状態だった。

 しかし、東京電力の計画停電が再開を阻んだ。主要なアクセス手段のJR京葉線で運休が頻発した。周辺地域は液状化も深刻で、浦安市内では一時3万3000世帯が断水。下水道も破壊され、市民らは約1カ月にわたってトイレも使えない生活を強いられた。そんな中、浦安市の計画停電も3回にわたった。

 TDLとTDSの電力消費量は1日当たり計57万キロワット時で、一般家庭5万世帯分に相当する。震災後の自粛ムードで、同社には営業再開に反対する声も寄せられ、休園は1カ月以上に及んだ。

 TDL再開当日は待ちわびていた来園者が門の前で徹夜し、開園前に行列は約1万人に延びた。上西京一郎社長は「ゲストの笑顔を見て勇気をもらった」と安堵(あんど)した表情で語った。

 年10回訪れるという東京都新宿区の会社員、金丸修一さん(44)は「多い日には10万人以上のゲストが来るが、来園中は自宅でエアコンやテレビを使わない。この分を相殺して考えてもいいのでは」と話す。【奥村隆】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110423-00000004-maip-soci

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