【報道】自粛は被災地の業者を苦しめることに

花火大会は、規模を大幅に縮小して開催するとかできないのかな。
本当に、被災地を思うなら、中止よりも規模縮小とかで実施したほうがよさそうですね。

『電力不足、協賛金集め難航で花火大会の中止相次ぐ 被災地の業者にも影響』
産経新聞 5月15日(日)20時1分配信

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昨年の隅田川花火大会=2010年7月31日、東京・蔵前橋(緑川真実撮影)(写真:産経新聞)
 夏の風物詩、花火大会の中止が相次いでいる。東京電力福島第1原発事故の影響で夏場の電力不足解消の見通しが立たず、協賛金集めも難航が予想されるためだ。警備計画作りを含め、大会の準備には数カ月間を要することから、東京や神奈川では複数の大会が早々に見送りを決めた。一方、中止のしわ寄せは、東日本大震災を乗り越えて業務を再開した被災地の花火業者にも及んでいる。(滝口亜希)

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 「東北の花火文化は終わりを告げることになるかもしれない…」

 福島県須賀川市で花火製造業を営む糸井一郎さん(57)は、危機感を隠さない。

 震災から1カ月程度で業務再開にこぎ着けたが、年間約100件あった打ち上げの仕事のうち、開催が決まっているのは数件程度。本来ならば連休明けはフル稼働となるが、縮小生産を余儀なくされている。

 18人いた社員の多くは一時的に、県内の別業種の会社に移ってもらった。糸井さんは「最終的に例年の2割の仕事があればよい方だろう」と嘆息する。

 宮城県内の花火製造業の男性(54)も「夏場で年収の大部分を稼ぐ。これでは、会社が来夏まで持ちこたえられるかどうか分からない」と打ち明ける。

 業者が困窮するのは、被災地だけでなく、首都圏などでも大会中止が相次ぐためだ。

 約1万4千発が夜空を彩る東京都の江戸川区花火大会は、先月7日に初の中止が発表された。同区は「節電のため、鉄道各社に例年通りの臨時増便をしてもらえるか分からず、震災対応で警備人員が不足する可能性もあった」と説明。

 予算の約4割を占める協賛金もネックとなり、「被災地支援が求められる時期に、協賛金を集めるのは難しい」(同区)ためだ。

 「被災された方々の心情をおもんぱかった」として鎌倉花火大会の中止を決めた神奈川県鎌倉市観光協会は、海辺での開催を考慮し、「大勢の人で混雑する大会中に、緊急地震速報が出れば大変なことになりかねない」と警備上の理由も挙げる。

 東京湾大華火祭、立川まつり国営昭和記念公園花火大会のほか、神奈川県藤沢市、茅ケ崎市でも中止決定が続いている。

 一方、例年90万人超が集まる隅田川花火大会は、時期をずらして開催を検討中だが、実行委員会に加わる墨田区は「他の花火大会の中止で、例年以上に人が集中する可能性は高い。震災の影響で、立ち入り禁止区域を仕切る資材を調達できるかも不透明」と、懸念材料を示す。

 花火業者で作る社団法人「日本煙火協会」の河野晴行専務理事は「花火は単なるイベントではなく、慰霊の思いを込めた祭祀(さいし)の意味もある。むしろ花火を見ることで東北を応援してほしい」としている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110515-00000537-san-soci

『「8割以上が開催未定」「報酬はキャンセル料だけ」…花火業者背水の陣』

 東京電力福島第一原子力発電所の事故による電力不足への対応から、各地の夏の花火大会が中止になったり開催決定が遅れたりしている。

 状況の推移に気をもむのは、夏場の売り上げが大半を占める花火業者。各社の売り上げ減は避けられない見通しで、業界団体は「こういう暗い時期だからこそ、花火で景気づけしてほしい」と声を上げる。

 群馬県内では、8月13日に予定されていた「前橋花火大会」が、大規模停電による安全面の不安や、協賛金集めの難しさから4月下旬に中止が決まった。8月に開かれる「高崎まつり」も同様の事情で花火大会の実施は未定。高崎市観光課によると、東日本大震災の影響で関係団体との調整が遅れ、例年は6月上旬に決定するイベント内容も、固めるのに時間がかかる見通しだ。

 花火業者は、通常なら花火製造に取りかかるこの時期になっても、大会開催の行方が見えないことに不安を募らせる。毎年5月には、打ち上げや製造を手掛ける大会の日程がほとんど決まっていたという業者は、「今年は8割以上が未定」とする。別の業者は、3月にスキー場で予定していた花火大会が中止となり、報酬は3割のキャンセル料だけだった。例年かかわる夏の大会も未定。「決定してからでは間に合わない」と、見切り発車で製造を始めた。

 開催が決まった大会でも、協賛金集めの厳しさから、規模の縮小も予想される。ある業者の社長は「どの企業や団体も今年は震災で義援金を出している。花火にまで費用をかける余裕はないのでは」と話す。華やかな行事だけに、「業界側から『大会を開いてください』とは言いづらい」という。

 全国約340業者が加盟する「日本煙火協会」(東京都)の石田雅英事務局長は、「大会の数が減るのは間違いない。花火業者の収入は7、8月の仕事がほとんど。中止となれば影響は大きい」と懸念する。

 花火は江戸時代には五穀豊穣(ほうじょう)などを祈る祭礼や宗教行事で用いられてきた。最近は、災害の被災地で復興や地域経済の活性化を願って、大会を開く例もあるという。

 いったん白紙にしたものの、開催を決めたのは「いせさき花火大会」(10月1日)。伊勢崎市が「市民の元気、地域の活性化のために」と予定通り開催する。日本煙火協会の石田事務局長は「今こそ花火を打ち上げ、世間に華やかさや明るさを添えてほしい」と話している。

(2011年5月16日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/mnews/20110516-OYT8T00739.htm

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