小金井市長のブーメラン発言

選挙中に、「ゴミ処理委託費の20億は無駄」「ゴミ処理場は作らない」→当選して、人道的支援で受け入れてきた委託先が無駄と言うなら自分たちで処理すればということで、来月にはゴミ収集停止の可能性も。

小金井市は、ゴミ問題を先送りしてきて、市内に処理施設ができる2017年までは、近隣の自治体の施設へ搬入せざるをえない状態。
(この施設もどうなるかわからない状況)

読売オンライン
『市長失言引き金、東京・小金井のゴミ収集危機』

 可燃ゴミの処理を周辺市に依存している東京都小金井市が、来月半ばにも搬出枠を使い切り、市内のゴミ収集が停止に追い込まれる可能性が高まっている。

 同市の焼却場は老朽化で廃止。この4年間は周囲の支援で乗り切ってきたものの、4月に就任した新市長の不用意な言動が引き金になり、周辺市が態度を硬化させているためだ。このまま引受先が確保できなければ、同市の約5万6000世帯は生ゴミなどが捨てられなくなる異例の事態を迎える。

 発端は4月の小金井市長選。ゴミ処理を他市に頼むようになってからの処理費増額分が「4年間で(計)20億円」に上るとして「ムダ使い」と指摘した佐藤和雄市長(54)が初当選したことが、周辺市の怒りに火をつけた。「『ムダ使い』なら自分たちだけでやればいいのでは」。4年間で約6200トンを引き受けてきた昭島市の北川穣一市長はそう語る。

 小金井市は自前の焼却場がなくなった2007年4月以降、1年ごとにゴミを引き取ってくれる自治体を探して契約を結ぶ綱渡り状態を続けてきた。同市で今年度排出が見込まれる可燃ゴミは1万3500トン。このうち佐藤市長が就任前に契約済みの8000トンを除く5500トンの引受先が決まっていない。

 現在のペースが続けば、11月15日頃には8000トンの枠を使い切ってしまい、引受先が確保できなければ、収集ストップは避けられない。事態収拾に向けて、佐藤市長は選挙戦での表現が不適切だったことを認め、周辺市に足を運ぶ「おわび行脚」を続けている。

(2011年10月29日16時18分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20111029-OYT1T00477.htm?from=main1

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『自前処理場 小金井の難題』

2007年3月末に廃止された二枚橋ごみ処理場(二枚橋衛生組合提供)。敷地は小金井、調布、府中の3市にまたがる
 「スタートラインに立てた」。あと1か月余で新処理場の建設地として二枚橋処理場(2007年3月に運転停止)の跡地取得にめどをつけなければならない小金井市の幹部は、胸をなで下ろした。

 約1・1ヘクタールの跡地は、処理場を運営してきた二枚橋衛生組合の小金井、調布、府中の構成3市が等分するが、3市議会での組合解散の手続きが遅れ、本格的な取得交渉にも入れなかった。それが、府中、小金井に続き、25日、調布市議会でもようやく、3月末の組合解散を決めたのだ。

 だが、別の新処理場を自市内に建設する調布市は「市域に2か所の焼却場は必要ない」(長友貴樹市長)として割り当て分の売却を拒む考えを変えていない。

     ◎

 跡地分割の線引きでも、3市の協議は難航した。

 昨年10月9日夜、新宿の都庁第1庁舎25階会議室。異例の調整に乗り出した都と3市の協議会で配られたA4判の紙には、組合が作成した五つの分割案の一つが示されていた。

 「地形が悪すぎる。これを持ち帰ったら袋だたきだ」。中島信一・府中市副市長は天を仰いだ。等面積ではあるが、府中分は、中央部と西側で不整形な「L字形」。だが、昨年2月からの協議の末、都が示した「あっせん案」が結局、組合の最終案になった。小金井としては、跡地売却を否定していない府中分を合わせれば、「コンパクトな焼却場なら建ち、首の皮1枚つながった」(小金井市議)という。

 「小金井のごみの行き場がなくなる事態は何としても避けなければならない」と、都の梅村拓洋・多摩振興担当課長は強調する。

     ◎

 小金井の迷走は、ごみ量が右肩上がりに増えていた1985年に始まった。老朽化が進んだ二枚橋処理場の処理量を1日550トン程度に更新する組合の計画が決まったにもかかわらず、排ガスや臭気に悩まされてきた周辺住民の声を受け、小金井市議会が改築と同時に処理場の分散を検討すべき、とする「第2工場論」を一方的に決議したのだ。

 これをきっかけに、3市の関係がこじれ、施設の更新が遅れた末、府中は狛江、稲城市などの多摩川衛生組合に加入、調布も三鷹市などと組み、たもとを分かつ形になった。だが、小金井はパートナー選びなど対策を先送りし、国分寺市への共同処理の申し入れは2004年5月にずれ込んだ。

 そして、07年3月末の二枚橋処理場の廃止に伴い、宙に浮いた小金井の年間約1万9000トンのごみ(当時)は、国分寺など周辺自治体が引き受けたが、小金井が09年2月中に新処理場の建設地を確保するとの約束を守れず、延期した「09年度中」の期限も実現できるか、不安視されている。

 国分寺市の大沢康雄・清掃施設担当課長は「一緒にやれるか判断するリミットは迫っている」と言う。小金井のごみ行政は正念場を迎えている。

     ◆   

「丁寧に説明を」

 二枚橋のように、建て替えが難航しているのは立川市のケースだ。処理場周辺の自治会と焼却炉を増やさないと約束したにもかかわらず、日量100トンの炉を追加。93年前後には2008年末までに移転する協定を結んだが、他に適地を確保できず、めどはたたない。

 今後、順次建て替えが予定されている23区内で目立ったトラブルはないというが、焼却場を管理運営している東京二十三区清掃一部事務組合施設建設部の安井龍治・計画推進課長は「『迷惑施設』とも言われるだけに、地元に場所の選定理由を丁寧に説明し、完成後も環境への影響を示すデータを示したり、意見交換を密にしたりする姿勢が不可欠」と指摘する。

(2010年1月26日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyo23/feature/tokyo231264437766653_02/news/20100126-OYT8T00104.htm?from=popin

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