岐阜の事例 近年路面電車を廃止

岐阜の事例 近年路面電車を廃止

 今日,岐阜の街を少し見ただけだが,車の流れはずいぶんスムーズになっているようには見える。しかし,それは交通の障害になっている路面電車がなくなったためではなく,岐阜の中心街に集まる人々の数が少なくなり,交通量自体が減少したことによるものと思われる。

http://mikkagashi.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/post_0013.html

 しかし,車で商店街にやってくる買い物客の邪魔になるからと,路面電車(南海和歌山軌道線)廃止したのが痛かった……。しばらくはそれが功を奏したかもしれないが,郊外にショッピングセンターができはじめると,やっぱりそれにはかなわない。車を使う買い物客にしてみれば,同じ品物が買えるのであれば,車が渋滞している中心商店街より,広い駐車場のある郊外のショッピングセンターを選ぶのは自明である。

http://mikkagashi.cocolog-nifty.com/kasukadari/2012/04/lrt-186b.html

・揖斐線廃止で鉄道がなくなった大野町では穂積駅からJR東海道線に乗り、岐阜市を通り越して名古屋へ出る人が増加している。対して、岐阜市中心部の柳ヶ瀬商店街では路面電車廃止後、郊外からやってくる高齢者が減ったという。

・名古屋へ向かう人の流れが名鉄揖斐線から穂積からのJR東海道線利用に変わったため、岐阜市を無視しても生活が成り立つことが明らかになっている。
にもかかわらず、岐阜市の動きは鈍い。
むしろ、JR穂積駅を結ぶバス路線を整備するよう岐阜バスに求めた大野町のように周辺自治体の方が現実に即した取り組みを行っており、それが一定の効果を挙げている。

いずれにせよ、名古屋へ行くのに旧揖斐線沿線ではJR利用、旧美濃町線沿線では高速バスを利用することで岐阜市を経由する(駅を出る)必要は全くなくなった。
その結果、岐阜市中心部への人の流れは以前にも増して少なくなり、商店街の衰退はますます進むと言わざるを得ない。

事実、名古屋で買えて岐阜中心部の店で買えないものはどれだけあるだろうか。まして、商店街へ行く気にさせる魅力はどれだけあるだろうか。
路面電車の廃止はその事を柳ヶ瀬商店街に突きつけたと言えるが、商店街自体が代替バスのルートからも外れていることからも明らかなように、集客は見込めないとして岐阜バスに見切りをつけられているような感もある。
「路面電車の廃止は、客足に少なからず影響を与えているような気がする」という発言自体、これまでの状況をどう見ていたのだろうか。
廃止前の「路面電車は商売の邪魔、廃止になれば路上駐車のスペースが確保できて客が増える」という声も上がっていたが、廃止後2ヶ月が経過した現状は全く正反対だった。
http://blog.goo.ne.jp/sti_6217/e/ba9da644832b443cd9e6714268f05681

私のいる岐阜県岐阜市では、この3月末に名鉄が運営して来た路面電車 が廃止されました。

利用者が減っていると言っても40万都市の県都を走る鉄道で、地域の路線バス40路線あまりで運ぶ1180万人/年の3分の1程度は運んでいましたから、廃止後は、中心市街地の柳ヶ瀬の商店主さんたちは 「(郊外の)関市や北方・大野町からのお客が来なくなった」という声 も聞こえて来ました。

http://www.urban.ne.jp/home/yaman/voice.htm

この人口40万人強の岐阜市は2005年3月に路面電車を廃線にした。
一方、人口17万人の高岡市は年間約6000万円を支援して、路面電車を存続する「事業仕分け」を行った。
全国の廃線事例をみると、鉄道が廃線となった後の交通手段として、自治体はバスを代替案として整備しているが、バスの利用は浸透せず、完全にマイカー利用へ流れている。
そして、廃線された街中はどこも著しく衰退している。
岐阜市は主に土建工学者の意見を聞いて「路面電卓は廃線、コンパクトシティ施策は新たに採用」という仕分けの結果、市民は不便な生活を強いられ、地域は著しく衰退した。
市民と地域の豊かさを犠牲にして推進された箱物「岐阜シティ・タワー43」の事業費は約150億円で、これ一つだけで路面電車への赤字を約55年分も補填できる。
市民に正しい情報を開示したうえで仕分けすれば、結果は逆になっていたはずだ。
地方都市の駅前などの街中に、専門家や自治体は「市民が望んでもいない」箱物を造り、一方、商店所有者は私益ばかり考えて「市民が望んでもいない」テナントに貸すか、シャッターで閉じたままにする。
これが地方都市の街中、とくに駅前の疲弊や画一化を生む元凶である。

市民と地域の豊かさを犠牲にして推進された箱物「岐阜シティ・タワー43」の事業費は約150億円で、これ一つだけで路面電車への赤字を約55年分も補填できる。

だから地方都市も歩いて生活が出来るコンパクトシティー化を進めて行かなければなりませんが、日本の地方都市ではまだ成功事例が無いからなかなか進みませんが、岐阜市に見られるように、路面電車を廃線にして、いまだに車中心の都市づくりが進められている。トヨタの城下町というせいもあるのでしょうが、市民も廃線に賛成した。

確かに車から見ればノロノロ走る路面電車が邪魔であり、岐阜市民は路面電車が廃線になって喜んでいるそうです。しかし廃線になっても市街の活性化は進ます、箱物だけが建設されて赤字を垂れ流して地方都市の衰退を加速させている。地方都市に超高層ビルを建てたところでテナントが埋まるわけでもなく、人が集まるようになるわけでもない。

地方では車が無くては生活が出来なくなってしまったことが過疎化の原因であり、国道沿いの巨大ショッピングセンターしか人が集まらなくなり、地方都市そのものが崩壊していく。都市がなくなればそれに付随する商業施設もなくなり、サービス業などの雇用も生まれず住宅が点在するだけの郊外化した地域になるだけだ。

車社会では大型施設には大型の広い駐車場が不可欠であり、その為には広い場所がある辺鄙なところに建設されることになる。病院や学校や警察や消防署や市役所や何もかもがばらばらに点在して車なしには行けない所になる。老人にとっては買い物難民のみならず病院通いもままならなくなってしまう。老人や子供にとっては歩いて生活が出来る都市が不可欠であり、公共サービスもコンパクトシティーがあって始めて成り立つ。

都市再生のカギは車が立ち入れない都市づくりであり、移動手段を鉄道やLRTにすることだ。60歳以上の年金生活者にとっては車が高価な乗り物であり、車が持てなくなれば家に引きこもらざるを得なくなる。しかしLRTがあれば沿線沿いの病院や買い物も便利になる。富山市の例は興味がありますが、高齢化社会に適応した都市づくりが必要だ。

http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/fcaad223f56352d5fece0696e4d63fb1

電車は車の運転が難しい障害者、高齢者、
学生の足として重要な役割を果たし続けてきたが、そ
れだけではない。県都である岐阜市と揖斐・本巣地域、
関市など郊外とを結ぶ糸でもあった。その糸が間もな
く、断ち切られる。

「三線の沿線人口など各種統計を基に推計すると、
廃線によって岐阜市中心商店街への来客数や売り上
げは、約6%減少すると予想されます」
二十三日夜、岐阜市中心商店街の店主ら約二十人が
集まって開かれた勉強会で、UFJ総合研究所主任研
究員の永柳宏さんは、こんなデータを持ち出した。

「売り上げが減るということは、つぶれる店も増
えるということ。固定客にも魅力が薄れて見えてしま
い、もっと客を失う可能性もある」と続けると、会場
の空気は一瞬凍りついた。
これを受け、参加者らはそれぞれの思いを話し合っ
た。「五年、十年後のビジョンも大切だが、私たちは一
日一日の売り上げに一喜一憂している。電車がなくな
った日から、どう店を維持するかを考えていかなけれ
ばいけない」という柳ケ瀬の店主。
市内線沿線にある
千手堂商店街の店主は「現在、客は店の前に路上駐車
をして買い物に来る。電車がなくなれば駐車しやすく
なるからいいと言う人もいる」とも。

http://ar.tea-nifty.com/gifu/files/1703gifu_newspaper.pdf

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