反対多く、県立図書館閲覧廃止撤回:神奈川県

縮小傾向にある公共施設。
大胆にも県立図書館でのサービス廃止を打ち出した神奈川県教育委員会でしたが、反対の声が多く、方針変更となったようです。

yahooニュース・神奈川新聞サイトより
『県立図書館閲覧廃止撤回:反対多く、県教委転換』
カナロコ 2月22日(金)8時0分配信

 県が県立図書館2館の閲覧・貸し出しサービス廃止方針を打ち出していた問題で、県教育委員会は21日、閲覧サービスを継続させることを明らかにした。廃館が検討されていた県立川崎図書館についても、川崎市内に残す考え。同日の県議会本会議で、佐藤光氏(自民)の代表質問に藤井良一教育長が答えた。県民から多くの反対意見が寄せられたことを受け方針転換したという。

 「市町村立図書館を通して行う」としていた貸し出しサービスについては、神奈川新聞社の取材に対し県教委生涯学習課は「市町村で受けられるサービスの充実とともに、廃止の是非について引き続き検討する」とした。

 藤井教育長は両館の閲覧機能の廃止から方針転換したことについて、「研究などの際、関係資料をその都度閲覧する必要があり、市町村立図書館に貸し出ししていない貴重な資料がある、との意見があった」と説明。川崎市からの土地借用期限が2017年度末となっている上、建物の老朽化により取り壊しが予定されている県立川崎図書館については、「(企業支援という)特性や地域性が重要な役割を果たしている」ことから、企業支援につながる機能をさらに高度化・特化して川崎市内に残す考えを示した。

 県教委は緊急財政対策による予算削減のため昨年11月、県立両館の閲覧・貸し出しの廃止と、県立川崎の廃館の方針を表明。「『一般公衆の利用に供する』と定めた図書館法に抵触する」との指摘が市民団体から上がったが、県教委は同法上の「図書館」の適用から除外することも「選択肢の一つ」に含め、あり方を検討していた。

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最終更新:2月22日(金)8時0分

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130222-00000020-kana-l14

【連載】県立図書館「廃止」を問う(全10回)
http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1302080018/

6 Replies to “反対多く、県立図書館閲覧廃止撤回:神奈川県”

  1. 公共サーヴィスって、それに限らないけど、『これで良い』はなくて、『より良い』を常に考えていくのが良いのだろうなァ~。まずは関わりのある人たちが良く話し合うことだろうと想う。

    お役所は一度決めると、その『決定』が一番大事になってしまったりするので、要注意ですネ。(へ皿へ)

  2. 神奈川県の事情を知らないので、一般論ということになりますが、財政状況が悪化している中での見直しなのだろうと思います。

    図書館の主な仕事は、閲覧、貸出ですが、おそらく県立図書館レベルでは、これに加えて、調査相談、点字図書などの特殊な図書の対応、朗読サービス、市町村立図書館への支援などの業務があるのだろうと思います。

    それらをすべてやめてしまうのか、市町村と重複する閲覧業務をやめるのか、によって意見は違ってくるのだろうと思います。

    限られた予算をどう配分するかの問題なので、従来の利便性を後退させたくない、ということなら、他の事業費を削って経費をねん出するか、税金を高くして維持するかの、選択の問題になるのだろうと思います。

  3. 県立図書館は県庁所在地にあり、県庁所在地は一般的に図書館サービスは基本的に充実しているし、各市区町村の図書館とのオンライン一元化が出来ている昨今、禁帯出の資料を閲覧する仕組みを作るなど市民の権利を阻害しなければ、一般閲覧、貸出業務を取りやめても、大きな問題ではないと思います。

    実際、栃木県の県立図書館が建て替えで閲覧に大きく制限がありましたが、手間は県立図書館、利用者双方にかかるものの大きな問題はなかったのではないかと思います。

    であれば、窓口を市町村の図書館に委託しても問題はないと思います。

    仮図書館で一般閲覧、貸出業務を行わず、市町村の図書館を窓口にする方法が取られた場合、どれだけのコスト削減と図書整理への人的リソースの集中が出来たかは検証の価値はあると思います。

    企業向けサービスを一般市民向けサービスよりも重視するなら、図書館という予算枠ではなく、商工系や経団系でやるべきだと思いますが…

    個人的には図書館に関するニュースでは、宇都宮東図書館のバス路線廃止がいちばんショックでした。

  4. > ガリレオくんさん
    融通が利かないのは、多いですね。。

    最近でも静岡市が市内の公園に展示しているSL(D51)の解体を決めて実行寸前だとか。。

    SLの場合、引取り手を公表すれば、引き取る所もありそうな気がします。

  5. > ひでながさん
    似たような施設が近接しているから、効率の悪いほうは閉鎖する。
    こうまとめれば、わかりやすけど、県の図書館とと市の図書館では、役割とかも異なっていますしね。

    財政状態の悪化は、どこも似たような状況だと思います。

  6. > サルビアさん
    おそらく、県立図書館が出来た当時は、図書館が無かったり、あっても公民館の間借りだったりの市町村が多かったのではないかと思います。

    今では、市町村の図書館も充実し、閲覧・貸出については、県立に遜色なく、あるいは上回っているところも珍しくなくなっています。

    また、住民でなくとも隣接市町村の図書館を利用できるようになり、電子化も進んで、蔵書検索や予約もパソコンで出来るようになりました。

    今までやっていたことをやめるということで、後退と受け止められるのでしょうが、県と市町村の重複を見直し、県の役割を明確にして、理解を得ることが必要なのだと思います。

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