宮環と栃木街道の交差点は平面のままで右左折レーンを増強

日刊建設新聞サイトより

『宮環と栃木街道は平面 2交差点を現況測量 立体効果望めずコストを縮減』

[2014/12/25掲載]
 県は宇都宮市の国道121号(宇都宮環状線、通称・宮環)と主要地方道宇都宮栃木線(通称・栃木街道)が交差する西川田本町交差点の形状を車線数増加による平面交差に決め、東側で近接する市道3224号線(旧栃木街道)と宮環(西川田本町2丁目交差点)との2カ所を合わせた交差点について、近く現況測量を発注する。同市道の上下線に右折レーン設置などの検討を進めるもので、27年度にも詳細設計に着手する見通し。

県宇都宮土木事務所によると、側道からの流入による一旦停止の対応など、立体化による渋滞緩和が望めないとし、交通流の多い東と南側に車線数を増加、西側右折の2レーンは延伸して対応するとしている。

 同交差点では休日に東進する車両が右折し栃木方面に南下、平日の朝は栃木方面から北進し宮環に西進する車両が多く、交差点南側の栃木街道は左折専用2レーンを増加し、右折レーンを除く既設の2レーンを直進専用とする。同時に西側の右折2レーンは立体化計画で用地を確保していた中央分離帯を使い、レーン長を延伸する。

 東側の宮環では、中央分離帯を使い右折専用の2車線分を確保。既設の右折レーンは直進レーンとする。北側は朝夕などに信号待ちで滞留する車両に対応するため幅員増を計画していく。

 車線幅は、国道が3.25m、県道は3.0mを標準に、新設する右左折の付加車線は3.0mで計画した。両側の歩道は南北の栃木街道が2.5m、東西の宮環には4.0mを確保する計画。
 同交差点から東側の旧道交差点とは約300mの距離。栃木街道から右左折し、宮環を東進する車両が側道から本線に流入するには、安全を確保するため一旦停止の処置が必要という。交差点の近接などにより現状の交通形態では立体化による渋滞は緩和されず、整備効果が望めないとした。また、事業費を比較すると、平面に比べ立体化は約10倍のコストがかかるほか、施工に当たっては仮設道や資材置き場の確保など交差点周辺の広範囲に影響が大きいとした。

 同交差点は宮環が栃木街道をアンダーパスする立体構造で都市計画決定している。県は将来、交通状況の変化などで立体化が必要になる可能性もあり、現状の都市計画決定の変更は行わないとしている。
 同交差点のある宮環は、34年の国体のメーン会場になる総合スポーツゾーンに西側からアクセスする幹線道路。県は同交差点から東側の国道4号宮の内交差点まで9カ所について渋滞対策を検討しており、対策に向け宇都宮市と協議調整を進めている。

 栃木街道との交差点は、25年度に平面図化と交通量調査、概略設計で現状を把握してきた。今年度はこれらの成果を基に予備設計を行い、立体化と車線の増加などによる平面交差とを比較検討。今後は現況測量に加え、車線数と車線長などを試算し27年秋をめどに交差点の形状や影響範囲を確定するため、詳細設計に移行する。予備設計は富貴沢建設コンサルタンツ(宇都宮市)が担当している。

http://www.jcpress.co.jp/wp01/?p=13735