羽生ショック

「老いる家 崩れる街」
野澤千絵 著

地方都市の郊外に賃貸用住宅やアパートが建てられるのが問題になった。
市街化調整区域を規制緩和した結果がこれで、それにともなって、上下水道整備や道路整備、場合によっては小学校の整備が必要なところも。
→無秩序な拡大で公共設備の維持が重荷になりはじめて、各地でコンパクトシティ政策が取られるようになった。

人口減少に歯止めをというのが規制緩和の理由だったが、蓋を開けてみれば、多少は人口増加していたが、増加と言うか市内や近隣からの転居で、市内で世帯を奪い合いしているだけだったという。

宇都宮でも、西川田エリアは、農地からアパートへ転用される事例が多い。
一方で、済生会病院や北高周辺は農地が多く、できたとしてもコンビニなどの商店やクリニック系のみという、明らかに差がある。




羽生ショックとは、市街化調整区域の建設物の規制緩和の結果、羽生市の郊外(近隣との境界とかホントに端のほう)などを主体に賃貸アパート150棟が建てられたモノ。
郊外過ぎて、借り手は多くないので、空き屋率も市全体で35%になり、あげくに大麻の保管庫に使われた事例も。
さすがに羽生市も異常事態に気づいて、この規制緩和は、終了した。

農業地域に賃貸アパートが増える要因は、相続税や固定資産税の高さ。
アパートを建てれば、土地の評価額が下がるので、税負担が多少和らぐ。
実際、それをウリ文句にして、アパートを建てさせるというもの。

建設業は、アパートが完成して引き渡した時点で売上になるので、建設業界の営業は求人も多い。




最近の賃貸アパートでは、サブリースという一定期間一括借上契約が多いが、契約中の収入は保証されるが、契約時の家賃額が保証されるわけではなく、場合によっては、家賃見直しで家賃収入が(アパート建設のための)ローンの支払額を下回る場合もある。
入居者獲得競争に勝つためにケーブルテレビ加入などの付加価値をつけて、入居者増加対策を大家がしなければならない。

または、アパートの屋根に太陽光熱熱発電のソーラパネル設置し、費用をかけてでも安定した収入を得る方法もある。

LRT西側沿線学校の生徒数

LRT西側の内、作新学院等や宇女高生徒数 入試の定員数

作新小 1学年60人 総数480人
作新中 1学年180人 総数540人
作新高 1学年1800人 総数5400人
宇短附 1学年高校890人・中学80人 総数2900人
文星女子高 1学年635人 総数1900人
文星芸大附属高 1学年520人 総数1500人
文星芸大附属中 1学年60人 総数180人
宇大付属中 1学年160人 総数480人
宇大付属小  1学年人100名 総数600人
宇女高 総数840人

計14,420人
作新高の定員は平成22年度のものなので、減少はあるのと各校の退学者を加味し、
作新高は5000人として合計した。
作新高以外の定員は、今年度または昨年度の情報。

※作新高 平成29年度の入学定員1630名

教職員は作新だけで200人以上なので、教職員の総数も1000人は超えるかと。

桜通り十文字

宇都宮のLRT計画の西の端が「桜通り十文字」となっているのは、同所にて宇都宮駅から西側の路線バス(大谷・鹿沼・鶴田・西川田・日光街道・ろまんちっく村など各方面)が集結し、宇都宮駅へ向かう交通の結節点だから、トランジットセンター作って乗換えを促しやすいとか言うのが、一番の理由みたいだ。

現状方面別に分散しているバス停を、バスターミナル整備して集約することも記載されている。

出展:平成19年3月の「新交通システム導入課題の検討結果報告書」 新交通システム導入課題検討委員会

この時点で、LRTのルートとか、「魚の背骨」とかは、ほぼ決定していた。

通勤バスの快適性

LRT建設反対派の意見として、企業通勤バスの快適性をあげていますが、ホントに快適でしょうか。

乗ったことはありませんが駅東口やバス会社のサイトを見る限りでは、普通の観光バスのように見えて、詰め込み仕様の60人乗り(普通の観光バスは53人乗りで、普通の観光バスより横1~2列多い分、座席の間隔は狭くなります)だったり、補助席まで満席となっていたりします。

反対派は通勤バスなら読書もできるといいますが、新聞を広げたりはできないので、せいぜい雑誌か文庫本ですが、文字の細かい文庫本を狭いバスで読むのは車酔いしやすい人もいるのではないでしょうか?




通勤バスは、基本的に駅東口と工場等をノンストップで結びます。
朝はこれで良いかもしれませんが、帰りはどこかで買い物とか食事とかしたくても、途中下車できないので、少々不便な気もします。

飲み屋とかは宇都宮駅西口~市内方向、宇都宮駅東口~4号線方面へ広がっているので、LRTやバスならば、宇都宮駅の一つ手前で降りて、一杯のんだりもできそうです。
そうすると、直接的なLRT利用者だけでなくLRT沿線のお店にも経済効果が生じてきます。

企業を追い出した場合

昨年の市長選の時のテレビ特番で、視聴者に意見を求めるというのがあって、10代だかの意見として「特定の企業のためのLRTなら、その企業が出てけばいい」とかいうのがあった。

特定の企業というと、芳賀町のHと清原工業団地のCですね。

この2社が栃木から撤退した場合、
短期的には渋滞が大幅に解消するでしょう。
(Cだけで4000台の駐車場を有していますから)

しかし、長い目で見ると・・・




HとCからの法人住民税などの税収がなくなります。

特にHは周辺に関連会社も多いので、それらからの税収もなくなります。

会社の事業所がなくなるということは、従業員も配置転換が必要になり、やむえない事情がない限りは会社の配置転換命令に従って、移住することに。
移住できない場合は、単身赴任とかもしくは転職とかに。

宇都宮駅周辺の居酒屋の一部は、ごっそりと客足が減るので、つぶれたりするところもあるはず。

自治体は交通機関のように収益率が下がったといって、郊外のエリアの公共物から手引いたりはできないので、支出がかさんでいった結果、LRT反対派が多く言う教育・福祉関係の歳出削減とか、最終的には増税(または水道料金の値上げ)となる可能性も。




そもそも意見した自身の親や、親友の親がHかCに勤めているなら、転居によって離れ離れになるか、単身赴任や転職等で生活がきつくなるかも。

主要企業を追い出した場合
まとめ
+ 渋滞がなくなる
- 税収が減る
- 人が減る
- 店が潰れる
- 税金が上がる

宇都宮のLRT 清原地区の経緯

宇都宮のLRT
現在の佐藤市長になってからクローズアップされましたが、古くは増山道保市長時代にも新交通システムに関する発言はありました。

清原地域振興協議会30周年記念誌(2015年1月発行)より
※宇都宮市立東図書館所蔵(館外貸出不可と貸出可能の計2冊あります)




平成5年 宇都宮市と栃木県で設置した「宇都宮市街地開発組合」が「新交通システム(LRT)を導入する方向で勉強を進める」と決定。
平成6年1月 新春座談会において、増山市長「夢物語であった新交通システムも実現の問題になった。」
平成7年1月 新春座談会において、増山市長「駅東からの新交通システムの問題等について市も住宅都市整備公団に対して地元の声を反映するよう働きかけて生きたい。」
平成11年1月 新春座談会において、増山市長「シャトルバス、パークアンドバスライドなどの試験的実施を行っている。新交通システムは、建設省の指導も受け、現在、県を中心に研究中である。」
平成12年1月 新春座談会において、福田市長「現在、『市新交通システム検討委員会』において東部地域をモデルとして走行ルートや導入機種など基礎的な調査に取り組んでいる。」
平成14年10月 清原地域振興会新交通システム特別委員会で3ルートの見学会
平成17年9月 人と地球にやさしい公共交通LRT講演会の開催
平成18年6月 「LRT早期実現」総決起集会への参加
平成18年11月 LRT実験イベント「大通りにぎわいまつり」
平成19年1月 宇都宮LRT導入計画の仮設定案が示される。
平成24年7月 市主催「公共交通」に関する市民フォーラム開催
平成25年4月 清原地区新交通システム(LRT)整備推進協議会設立
平成26年1月 清原地区新春賀詞交歓会において佐藤市長から「LRT整備」がまさに動き始め、1日も早いLRT整備推進に向けた具体的取り組みについての報告を受ける。

キャリー交通

宇都宮駅東口で見かけることが多い、オレンジ色のバスを運行している会社です。

意外と歴史は古い方ですが、近年まで特定旅客輸送免許で通勤と通学輸送に特化していたので、一般にはなじみが無い会社かも。

現在も、清原工業団地の大手光学機メーカーや食品製造会社、宇都宮市内外の私立学校のスクールバスを運行していいます。




昨年と一昨年のおもちゃ団地バザールのシャトルバスは、キャリー交通が担当していました。

観光仕様で後部サロンタイプもありますが、どちらかといえば送迎輸送が得意な会社のようです。

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民意なきLRT導入を反対する会

民意なきLRT導入を反対する会の会合が、健康の森で公開で開催されたので行ってみました。

開始時間よりちょっと遅れて会場入りしたので、冒頭の代表挨拶は聞けなかった。
(簗瀬進氏もだいたい同じタイミングで到着(建物脇からエントランスまでほぼ並んで歩いた感じに))



・経過&資料説明

・連帯表明として、賛同する議員等の読み上げ

・松井県議が基調講演みたいな感じで、意見主張
LRTでバス会社の収益が減って、鹿沼のローカル線がなくなるのが心配

・国会議員や市議会議員がそれぞれ主張
1.衆院議員 福田昭夫
2.ウガジン
3.サイトウタカアキ
4.マカベヒデトシ
5.宇都宮市議会議員 郷間康久
6.フクダチエコ





1.福田議員
冒頭と終盤でLRTのことに触れた以外は、エコシティ問題を取り上げた。

5.郷間議員
直球でLRT反対と経済効果とかの説明。
これは説得力あるなと思った。

→くまもんは330億円の経済効果
→LRT導入したければ、ミヤリーで383億円の経済効果を出してからにすればよい

ただ、郷間氏は、先の市長選に、現職の対抗馬として出馬を要請されたけど、準備期間が短いとかで辞退したんだよね。
この時出馬していたら、実質的にLRTの住民投票になったと思うので、いろいろと残念。

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一言で言えば、「みんなでLRT反対しましょう」。「民意確認のために住民投票実施を目指します」という集会でした。でも、「住民投票で反対しましょう」というわけではないみたいだ。





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今回の会場は健康の森の2F講堂
(同会のFBページを拝見すると、元々多目的室予定が、直前に変更したみたいです)

健康の森は、日祝日は路線バスの乗り入れはない。
(隣接して、関東自動車の駒生営業所があるけど、北側か南側をぐるっと迂回しなければならない)
参加者は、皆クルマで(一部乗合わせとかもあったみたい)自力で来場。参加者の7割ぐらいは高齢者。

LRT導入に反対する集会と各議員の主張、住民投票の実施のための署名をするが主目的で、LRT以外の交通網改善の提案意見、よくある「ミニバスをたくさんは走らせろ」とかお決まりの「医療・介護・福祉へ予算をまわせ」というのはなかった。

この件に関しては、民主党&日本共産党&幸福実現党&連合がスクラムを組んでいる感じです。