豪雨災害の影響 その後

東武宇都宮線は引き続き安塚~西川田間で運休しバスによる代行輸送を実施
安塚~栃木間はおおむね時刻どおりの運行
西川田~東武宇都宮間は、通常の半分程度の運行
http://matome.naver.jp/odai/2144194226137868401

野岩鉄道は、送電が止まっているので一部区間で会津鉄道のディーゼルカーで運行のため、運休列車アリ。

野岩鉄道直通の東武鉄道の臨時列車も今年末までの運休が決定。
尾瀬夜行23:55は今年分の運転が終了に。
※元々会津鉄道のディーゼルカーで運行のAIZUマウントエクスプレス号は通常通り運行。

http://www.mlit.go.jp/common/001104650.pdf
41P以降に道路や公園等の被災状況が乗っています。

一部抜粋
鬼怒グリーンパーク・・・テニスコートと野球場が被災
道場宿緑地・・・・運動場内の土砂等が流失およびトイレ等が損壊

ふるさと納税、分かれる明暗  出ていく方が多い自治体も

ふるさと納税関係でまとめられているニュース記事です。

『ふるさと納税、分かれる明暗…「出ていく方が多い」自治体悲鳴』
izaニュースまとめ
http://www.iza.ne.jp/topics/politics/politics-8183-m.html

豪華な返礼品などで注目を集める「ふるさと納税」。多額の寄付を集める自治体がある一方で、寄付額より控除された税金が上回り、収入を減らす自治体も出てきている。制度が始まって6年、ふるさと納税の行方は-。
《ふるさと納税》
生まれ故郷や応援したい都道府県、市区町村に2千円以上の寄付をすると所得税や個人住民税の税額が控除される制度。今年4月から制度を拡充し、控除の上限額を個人住民税の約1割から約2割に引き上げたほか、寄付先が5自治体までなら確定申告が不要になるように手続きが簡素化された。

豪華な「特典」で収入増やす自治体

ふるさと納税、昨年度は全国で142億円…6年間で倍増
出身地などの地方自治体に寄付をすると税金が減額され、地元名産品などの返礼品も受けられる「ふるさと納税」制度は、平成26年度の全国の自治体への寄付総額が約142億円に上り、制度がスタートした平成20年の約73億円から倍増した。

ふるさと納税制度について〔総務省(pdf)〕

「今年上半期、寄付額1位は山形・天童市の11億円」
今年上半期に「ふるさと納税」の額が一番多かった自治体は山形県天童市で、寄付額は11億68万円に上ることが分かった。ふるさと納税の情報をまとめたポータルサイト「ふるさとチョイス」が上位10自治体のデータをまとめた。

和牛に高級フルーツ ふるさと納税、山形・天童が1位 11億円超

「一方で、収入減となる自治体も」

ふるさと納税の控除で、寄付する人が住む自治体の収入は減る
ふるさと納税を利用すると居住地の税金の一部が控除されてしまうので、居住地の地方自治体の収入が減少してしまう。しかし居住地自治体は行政サービスの提供を他の住民と同様に行う必要があることから、通常よりも安い納税額で行政サービスを提供することになり居住地自治体の負担となる。

ふるさと納税 制度のメリットとデメリット〔2014年9月17日 企業法務ナビ〕
http://www.corporate-legal.jp/houmu_news1661/

東京都はふるさと納税で年間18億円税収が減っている
総務省のふるさと納税実績額(平成26年度)によると、東京都、神奈川県、大阪府が昨年度に引き続き、適用者数・寄附金額・寄附税額控除額ともにトップ3。寄附税額控除額とは、実際に住民税が減った金額で、単純にいえば東京都はふるさと納税で年間18億円税収が減っていることを示している。

ふるさと納税 26年度で最も適用している都道府県は、どこ?〔2015年5月13日 MyKomon〕
http://tax.mykomon.com/daily_contents_27806.html

寄付者が多い東京・港区「無視できる額ではない」
東京都港区では平成26年度の寄付者が1057人、寄付額は5億3千万円で1億6千万円の減収を見込む。担当者は「今後、減収は5億~6億円になるだろう。無視できる額ではない」と危機感を抱く。5億円は小学校の給食に区が支出する額に匹敵する。

ふるさと納税、勝ち組・負け組 町税超す収入、都心は…〔2015年5月11日 朝日新聞〕
http://www.asahi.com/articles/ASH583Q7BH58UTIL00N.html

静岡・富士市、200万円の赤字「住民サービスができない」
静岡県富士市では、昨年の寄付金はおよそ100万円。それに対し、富士市民が外の町に寄付したことで控除金300万円が出ていき、200万円の赤字に陥った。市財政課の髙橋富晴課長は「財源がなくなるということですので、予定していた事業、住民サービスができない」と述べる。

ふるさと納税 ブームが問うものは〔2015年1月26日 NHK〕
http://www9.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3605_all.html

参考資料平成26年度寄附金税額控除に関する調査〔総務省(pdf)〕
http://www.soumu.go.jp/main_content/000349836.pdf
市税流出食い止めへ「特典」競争へ名乗り

東京・立川市「出ていく分が入る方の数十倍」
東京都立川市は、同市民の他自治体へのふるさと納税が膨らみ、市外へ流出した市税が平成25年度は1250万円、26年度は2025万円にのぼり、「出ていく分が入る方より数十倍も多い」と清水庄平市長。

他自治体へふるさと納税流出…立川市、「お礼品」で歯止め

⇒これまで感謝状だけだったが、地元特産品などの贈呈を始めた
立川市はこれまで寄付者に感謝状を渡すだけだったが、「ふるさと納税」による1万円以上の寄付者に、お礼品として地元特産品などの贈呈を始めた。

http://www.iza.ne.jp/kiji/politics/news/150921/plt15092108050008-n1.html

神奈川・小田原市も「特典」競争へ…寄付収入6万円、流出1131万円
小田原市の場合、昨年度に市外からの寄付は3人で計6万円。反対に他の自治体に寄付した市民は612人で、計1131万円。同市への寄付総額を大きく上回る金額が他の自治体に寄付され、その分税収減となっているため、9月から典付きふるさと納税を始め、寄付金獲得競争へ名乗りを上げた。

ふるさと納税 小田原市 今月から特典付き〔2015年9月2日 東京新聞〕

奈良市は「特典」追加、寄付収入590万円に対し、流出1億3千万円
奈良市は7月から、寄付した人に贈る返礼品に、鍛冶職人が作る包丁や奈良団扇など、24品を新たに追加。市納税課によると、昨年度の市への寄付が約590万円なのに対し、市民の市外への寄付は約1億3千万円と、「あまりに衝撃的な数字だった」と仲川げん市長。

奈良市、ふるさと納税目標は3億円!返礼品に奈良団扇など24品追加〔2015年7月17日 産経ニュース〕

過熱する競争…ふるさと納税、どうあるべき?

「寄付の使途を競うのが本来の姿」(千葉商科大・島田学長)
ふるさと納税を検討した政府の研究会座長で千葉商科大の島田晴雄学長は「ふるさと納税は、地域の産業振興につながる面もあるが、返礼品合戦はやや行き過ぎ。寄付の使途を競うのが本来の姿だ」と述べている。

ふるさと納税、勝ち組・負け組 町税超す収入、都心は…〔2015年5月11日 朝日新聞〕

「都市の自治体も、使途を明確にした寄付を募るなど工夫が必要」(明治大大学院・青山特任教授)
明治大大学院の青山やすし特任教授(都市政策)は「大都市は財源が豊かと思われがちだが、貧困も都市に集中し、行政ニーズは尽きない。都市の自治体も、地方に税収を持って行かれるだけでなく、使途を明確にした寄付を募るなど工夫が必要だ」と指摘する。
http://www.asahi.com/articles/ASH583Q7BH58UTIL00N.html

「施設入場券など、原価を発生させないものに特典を限るべき」(元衆議院議員・藤田憲彦氏)
元民主党衆議院議員の藤田憲彦氏は「ふるさと納税制度は寄付を受ける自治体が原価を発生させないものに特典を限るべきではないか。上越市がまさにそれで、市内施設の入場券のプレゼントという内容になっている」と述べている。

ふるさと納税制度拡充の功罪〔2015年3月1日 THE HUFFINGTON POST〕
http://www.huffingtonpost.jp/norihiko-fujita/hometown-tax_b_6394950.html

「企業版ふるさと納税」も創設へ

企業が地方自治体に寄付すると、法人税などが控除される仕組み
内閣官房は8月24日、平成28年度税制改正要望で、企業版のふるさと納税の創設を要望する方針を固めた。企業が地方自治体に寄付すると、法人税と法人住民税の税額が控除される仕組み。

企業版ふるさと納税創設へ 内閣官房が来年度税制改正で要望 地方創生後押し

都の減収につながる…舛添知事は批判
舛添要一知事は9月15日の定例記者会見で、国が導入を検討中で、企業が応援したい自治体に寄付すると税金が軽減される「企業版ふるさと納税」について、都の減収につながると批判した。

地方税収の再配分撤廃を 舛添知事が批判「創生と逆行」〔2015年9月16日付 産経新聞〕

栃木県内の鉄道の運休等状況

鉄道線の影響については、まとめサイトでまとめてみました。
新たな情報が見つかり次第、随時更新しています。

東武日光線 新鹿沼~下今市
http://matome.naver.jp/odai/2144194322440561801

東武鬼怒川線&野岩鉄道
http://matome.naver.jp/odai/2144206727443491301

東武宇都宮線
http://matome.naver.jp/odai/2144194226137868401

JR日光線
※13日より平常運行
http://matome.naver.jp/odai/2144207068545796601

9月11日の状況

11日の状況(11日 0:50)

特に鹿沼と日光の鉄道線で大きな影響が出ています。

東北道 佐野藤岡~宇都宮 上下線通行止め→0:25解除
北関道 都賀JCT~桜川筑西 両方向通行止め→0:25解除
北関道 岩舟JCT~佐野田沼 両方向通行止め→0:25解除
日光道 日光~清滝 通行止め 

JR日光線 終日運休
山形新幹線 福島~新庄 午前中運休→午後は運行

東武線
日光線の特急と尾瀬夜行23:55は全便運休
東武日光線
 下小代駅構内の土砂流入、新鹿沼~北鹿沼間の盛土流出による電路柱倒壊等のため、始発から7:00頃まで南栗橋~東武日光間で運休
 7:00頃以降は、新鹿沼~下今市で運休を予定
東武宇都宮線
 安塚~西川田間の橋梁の橋台および橋桁の流失で全線で運休しバス代行
 ↓
 16:45より、栃木~安塚と西川田~東武宇都宮でそれぞれ折返し運転し、安塚~西川田間は代行バスを運行
東武鬼怒川線
 新高徳~小佐越間の盛土流失、小佐越~鬼怒川温泉間の線路砕石流出等の影響で全線で運休

野岩鉄道
終日運転見合わせ

関東バス
・宇都宮駅~(免許センター)~楡木車庫
 全便(免許センター非経由も含めて)、宇都宮駅~免許センター区間のみ運行
・鹿沼市リーバス古峰原線 全便運休
・マロニエ号成田線
 運休決定便 柳田発2:50 鹿沼IC入口発4:00
 ※成田線は、9/11より一部経路の改正があります
・マロニエ号羽田線
 運休決定便 柳田発3:05 3:45 4:35
 運休決定便 羽田空港発 9:55

JRバス
・東北道通行止め解除の見通しがつかないので、明日のJRバスの高速バスのうち、あぶくま号と那須・塩原号は全便運休予定、夢街道あいづ号は常磐道~磐越道を迂回する一部の便を除いて運休予定

通行止め解除により、一部便を運行するが、運休の便もアル。

店舗施設
白鴎大学(本校舎) 休校(事務業務も休止)
峠の茶屋 藤屋 断水のため
筑波サーキット 12日まで休業

イベント
11日午後 オリオンスクエア開催の「栃木の地酒で乾杯」 中止
12日開催 東武健康ハイキング「第335回 おもちゃのまち駅 開業50周年記念! 壬生・おもちゃのまち街中ハイキング」 中止
12日開催 ツール・ド・NIKKO コースの変更を検討中→開催中止
12日から開催の高校野球秋の栃木県大会は、栃木市営球場の試合を他球場へ振り替えし、12日の開会式は取りやめ。
11日~13日 第4回小山の日本一ビールまつり 中止

その他
17日~18日 天皇皇后両陛下 日光への私的旅行 取りやめ

大雨特別警報に関する県内の様子

9月10日(23:50修正)

県立中学校3校とも・・・休校
宇都宮市立の小中学校・・・臨時休校
鹿沼市立の小中学校・・・臨時休校
小山市立の小中学校・・・臨時休校
宇都宮短期大学附属中学・高等学校・・・休校
文星芸大附属高校・・・休校
文星芸術大学附属中学校・・・休校
作新学院高校、作新学院中等部・小学部・幼稚園は休校・休園
白鴎大足利高・・・休校
佐野日大高・中等教育・・・休校
TBC学院小山校・・・休校
白鴎大学(本校舎)・・・休校(敷地内冠水)

JR線
JR日光線・・・全線で終日運休
JR両毛線・・・栃木~佐野は午前中運休
JR水戸線・・・小山~友部は終日運休しバス代行も無し
JR宇都宮線・・・大幅な遅れで運行
JR烏山線・・・遅れで運行 → 6:30から運休

東武鉄道
特急スペーシア、特急しもつけ 終日運休
東武日光線・・・全線で運休
東武宇都宮線・・・全線で運転見合わせ
東武鬼怒川線・・・全線で運転見合わせ
東武佐野線・・・全線で運転見合わせ

野岩鉄道・・・終日運休 国道通行止めのためバス代行も無し
真岡鉄道・・・全線で運転見合わせ

道路の通行止め
東北道 
 佐野藤岡~宇都宮の上下線
北関東道
 岩舟JCT~佐野田沼の両方向
 都賀JCT~桜川筑西の両方向
日光宇都宮道路 全線
第一いろは坂(土砂崩れ)→朝に解除
第二いろは坂→朝に解除
国道400号線→17:00に解除

関東自動車のバス路線(12:20現在)
始発から全区間運休
・宇都宮駅~長坂~新鹿沼 → 7:20より上下線で運行開始
・宇都宮駅~荒針~新鹿沼、
・宇都宮駅~免許センタ~楡木車庫 → 7:40より一部迂回で運行開始
・鹿沼市リーバス(関東自動車運行便)
 →まちなか線は12:47発より運行
  まちなか線以外の路線は終日運休
・上都賀病院線
・栃木駅~国学院
・栃木駅~倭町~国学院、
・栃木市営バス(関東自動車運行便)
一部区間運休
区間運休
・宇都宮駅~大谷・立岩線のうち、立岩~中丸公園間を運休し駒生営業所発着に変更 → 11:25より全区間運転
・宇都宮駅~日光東照宮線・今市車庫線(日光東照宮~石那田間運休。石那田発着に変更) → 13:05発より全区間運転
・宇都宮駅東口~ベルモール(バイパス十文字~陽東6丁目間運休し一部迂回運行) → 12:15発より全区間運転

関東自動車の高速バス(12:15現在)
マロニエ号成田線
・宇都宮発は運行 → 全便運休
・成田空港発8:55 9:55 11:05 13:05 14:35 15:35 16:55が運休決定
マロニエ号羽田線
・宇都宮発は運休
・羽田空港発9:55 14:25 15:45 17:20 18:30が運休決定
北関東ライナー水戸線
・運行可否判断中 → 全便運休
・とちの木号 9/10 宇都宮発は運休
・名古屋~宇都宮~郡山線 
 9/10 郡山発宇都宮経由名古屋行き 運休
 9/10 名古屋発宇都宮経由郡山行き 運休
メープル号・サルビア号
・通常通り運行

JRバス関東の高速バス
・あぶくま号 全便運休
・塩原那須号 全便運休
・夢街道会津号 全便運休
※大雨による栃木県内の東北道通行止めのため運休

店舗等の臨時休業
・フロレスタ宇都宮平成通り店
・コラボモール
・日光珈琲
・cafe Focori
・新生姜ミュージアム
・那須どうぶつ王国
・とちのきファミリーランド
・那須りんどう湖LAKE VIEW
・道の駅 みぶ ときめきステーション
・さかがわ館直売所(茂木町)
・トッキースクエア

佐野の栗崎鋳工所 キャラブームで人形焼き金型注文急増

産経新聞ニュース
『栗崎鋳工所(佐野)、ゆるキャラブーム受け人形焼き金型注文急増 栃木』

2015.9.9 07:04
 ■少量生産の強み生かす 

 佐野の伝統工芸品「天明(てんみょう)鋳物」の技術を引き継ぐ栗崎鋳工所(佐野市亀井町)に、ゆるキャラブームを受けて全国からたい焼き用などの金型の注文が相次いでいる。台湾の業者など海外からの引き合いもあり、生産に追われている。(川岸等)

                     ◇

 同社には数年前、大手玩具メーカーからロボットアニメのキャラクターをかたどった人形焼き用の金型の注文があり、この金型を自社ホームページで紹介したところ、全国のたい焼きや人形焼き業者、イベント会社などから問い合わせや注文が入るようになった。ゆるキャラブームの追い風で地元のさのまる、くまモン(熊本県)、ぐんまちゃん(群馬県)のゆるキャラグランプリの歴代1位キャラクターをはじめ、ともなりくん(矢板市)、えび~にゃ(神奈川県海老名市)など県内外から注文が殺到。地域の名所、特産品の金型注文もあり、これまでに約300種類を手掛けた。

 同社は栗崎二夫(つぎお)代表(70)をはじめ家族ら従業員6人で、キャラクターの絵を元に金型用の図面を引き、粘土で型を作り、鋳型を作るまで一貫生産。中小企業独自の多品種少量生産が強みとなり、同様の金型製作を手掛けるのは全国でも3社程度という。キャラクターの特徴を損なわず、焼きやすい形状にするのが難しく、一つの金型製作に約2カ月かかる。

 天明鋳物は鍋釜類の日用品や工芸品の需要などが伸び悩み、鋳造所も減少傾向が続く。一方で、同社には静かなブームとなっているオリジナルベーゴマの注文も舞い込んでいる。栗崎代表は「予想外の商品の注文、反響に驚いている。今後も新たな商品開発に取り組みたい」と話している。

http://www.sankei.com/region/news/150909/rgn1509090019-n1.html

武雄市TSUTAYA図書館、委託巡り住民訴訟に発展

『関連会社から“疑惑”の選書 武雄市TSUTAYA図書館、委託巡り住民訴訟に発展』

2013年4月に市の図書館運営を全国で初めてTSUTAYAとコラボし、注目を浴びた武雄市図書館(佐賀県)。しかし、そこに並ぶのは「公認会計士第2次試験2001」や、シリーズものだが全巻そろっていない「ラーメンマップ埼玉2」など、出版年度が10年以上前で市場価値が低いものばかり。市民から疑惑の声があがっている。

これらの選書について、市の教育委員会は「TSUTAYAを運営する『カルチュア・コンビニエンス・クラブ』(CCC)に委託して選書していただき、その後、市が確認しました」と話す。CCCに選書した本の購入先について聞くと、こう説明した。

「ネット中古大手『ネットオフ社』より調達。中古流通からの調達は、事前に武雄市にも承諾を得ています」

ネットオフの運営会社とは、10年にCCCが株式の30%を取得したCCC傘下のグループ企業で、なんと疑惑の選書は全て“身内の新古書店”から購入したものだったのだ。

ネットオフに、選書された本の費用や当時の単価について問い合わせたが、期限までに回答がなかった。

ネットオフのHPから、疑惑がもたれている選書の単価を調べてみると、最低価格の108円で購入できるものが多数。1万冊のうち、本誌記者が各ジャンルから抽出した計100冊の平均価格を出すと、なんと一冊あたり“272円”。

「108円は最低価格なので、簿価としては0に近い。ネットの新古書店で流通し、売れなかった本が多数含まれていることになり、公共図書館の蔵書にふさわしくないことは明らかです」(市立図書館の司書)

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図書館問題に詳しい慶応大学の糸賀雅児(まさる)教授は言う。

「選書はどんな本であれ、図書館の『裁量権』の範囲と考えられていますが、税金を使う以上、なぜ購入したのか説明責任がある。蔵書の中身より、“20万冊の蔵書”にこだわり、短期間で書架を埋めてオープンに間に合わせることを優先した結果ではないか」

CCCに選書基準を尋ねると、「『趣味実用』『料理』『旅行』『ビジネス』等のジャンルを中心に選書を行い、幅広く導入することを意識した」。「公認会計士第2次試験2001」や“Windows98”の本の選書については、「蔵書の増加にあたっては過去のアーカイブも含めて幅広く選定。結果、『幅広く』を意識しすぎた在庫が一部導入されており、更なる改善の余地があったと反省しています」。

選書が「在庫処分ではないか」という声には、「全くの事実無根」と否定し「初期蔵書入れ替えで導入した1万冊については、開館後に累計8万6500回の貸出実績があり、幅広い読書機会の提供ができていると認識している」と回答。

市民の疑問や不満の声は、選書だけにとどまらない。改修にあたり、書物や視聴覚資料など合計8760点が除籍、廃棄処分された。

「郷土資料『みを』『温泉博士』などが除籍されましたが、これらは県立図書館にも所蔵がない資料で貴重なものだった。さらに、武雄にしかない蘭学資料が詰まった『武雄蘭学館』は、TSUTAYAのレンタルコーナーに改修されてしまったのです」(「武雄市図書館・歴史資料館を学習する市民の会」の代表世話人・井上一夫氏)

蘭学館には、国産第1号の大砲など蘭学資料が常設で展示され、昨年8月には2千点もの資料が国の重要文化財に指定された。電気通信大学の佐藤賢一准教授が、こう解説する。

「明治以前の西洋技術導入の歴史をひもとく武雄の蘭学資料は、非常に価値のあるもの。戊辰戦争の際に明治天皇からいただいた“錦旗”の現物も展示され、全国的に注目度は高かった」

さらに、TSUTAYAのポイントカード「Tカード」が利用でき、自動貸出機を使うと1日1回3円分のポイントがたまるシステムも疑問視されている。

「ポイントがたまって使えるなら、提携している店を自然と利用するようになり、その店を優遇することになる。自治体が設置している図書館だが、結果的に利用者の購買をある特定のお店に誘導しているわけで、公共施設としては公平性を欠いている」(糸賀教授)

選書をはじめ、図書館運営のずさんさに疑問を持った住民らが、市に対し、樋渡啓祐前市長に1億8千万円の損害賠償を求めるよう、訴えを起こしている。

CCCが約3億円、市が約4億5千万円、計7億5千万円をかけてリニューアルした図書館。公共施設の中で最も活用される図書館だからこそ、“住民”を第一に考えることが大切ではないか。

(本誌・牧野めぐみ)

※週刊朝日  2015年9月11日号より抜粋
http://dot.asahi.com/wa/2015090200084.html?page=1