高速無料化で物流トラック激減 県北の国道4号沿いの店舗苦境

下野新聞サイトより

『高速無料化でトラック激減 国道沿いの店舗苦境』
(7月8日 05:00)
 東北地方の高速道路無料化の影響で、県内の国道4号を走るトラックが激減している。ドライブインの駐車場から大型トラックが消え、売り上げは無料化前の3~7割減に。ガソリンスタンド(GS)も3割以上減るなど、店主らは「死活問題」「震災の2次災害だ」と悲鳴を上げる。一方、県北の東北自動車道の大型車の通行量は5割増。パーキングエリア(PA)は混雑し、トラックが入れない事態も起きている。

 「無料化になった途端、トラックがほとんど来なくなった。売り上げは無料化前の3分の1から4分の1」。大田原市の国道4号沿いにある「ドライブイン・のざき食堂」を経営する菊地ヨネさん(63)は、閑散とした店内でため息をついた。

 トラック30~40台が駐められる広い駐車場は、昼時にもかかわらずガラガラ。菊地さんは「無料化でうちも被災者。長期化したらやっていけない」と不安を隠さない。

 県北は国道4号と東北道が並走する地域。「これまで経費節減で国道4号を利用していたトラックが無料化と時間短縮で高速を使うようになったためとみられる」(ネクスコ東日本)。客の4割がトラック運転手で占めていた那須町の「ラーメン源」も売り上げが半減。経営者の薄井美和さん(40)は「家族経営でぎりぎりでやっている。すべての車種が無料化になれば、店を閉めるしかない」と怒りをぶつけた。

 国道4号沿いのGSも頭を抱える。那須塩原市のGSは売り上げが3、4割減。男性店長(33)は「東北ナンバーのトラックがパタッと止まった。どうすることもできない」と嘆く。

 一方、東北道那須高原サービスエリア(SA)の駐車場は、大型トラックが並ぶ。福島県郡山市から群馬県内の会社に戻る途中、同SAを利用したトラック運転手の男性(55)は「今日(5日夕)はトラックの数が普段の4倍。小さいPAは混んでいて入れない」。同SA(上り線)を運営する「日の丸サンズ」の伴敬副支配人(45)は「トラックはかなり増えたが、休日上限1千円の廃止や原発の影響で土日の観光客が減り、売り上げは苦しい。那須や東北が元気になり、観光客が増えてほしい」と話した。

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