昼間は小さいバスを

たまに聞く意見として、「朝夕は既存の大型バスで運行して、昼間とか夜は需要にあわせて小型バスで運行すればいいじゃない」というものがあります。

見た目は、需要に沿って適材適所な運行に見えますが、終日同じバスで運行の場合は1台ですむのに、需要にあわせて大型と小型の2台のバスを使い分けるということは、運行にかかる経費も倍かかることになります。

小型化で燃料費はいくらか減らせるでしょうが、運転手が大型→小型または小型→大型へ乗換えのために車庫へ回送する手間とかも出てきます。

回送する手間が無駄だから、既存の車庫とは別に乗換え用の車庫を設ければいいと言われそうですが、車庫スペースの確保や人員の効率化のほかにも、防犯の都合上、乗換えのたびに運賃として得た現金を回収する必要があるので、ある程度設備の整った車庫に回送するのが合理的です。

乗換えで問題になるのは、回送の手間よりも、車内で寝たままの乗客をバス車内に閉じ込めてしまう事です。

乗換えのたびに、各座席回って点検する余裕はないと思いますし、遅れが出ているとそんな余裕も無くなる可能性もあります。

バス車内に閉じ込められたら、自力脱出は困難になりますので、閉じ込められた場合、携帯電話とかで外部に連絡とるか、声を出し続けて運良く気づいてもらえるか、次ぎの乗換えタイミングを待たなければなりません。

大型バスと小型バス別々に人を雇うとなると、その分の人件費とかも必要になって、さらにコストが増えます。

結局、燃料費はわずかでも減らせても、バス購入費用、バス駐車スペースの確保、整備・車検費用は2台分必要になるので、総合的に判断するとかえってコスト増になると思います。

※車検の有効期間は、自家用普通自動車(マイカー)の場合は、新車時は3年その後は2年毎の車検ですが、バスやタクシーの場合、新車時もその後も1年なので毎年車検を実施する必要があります。
無車検状態で運行した場合は行政処分が課せられ、自己申告した場合でも報道される事が多いので、会社としてマイナスイメージとなります。

販売価格

小型バス
日野ポンチョ(小型ノンステップバス)
http://www.hino.co.jp/poncho/index.html
都市型ロングタイプで約1600万円
http://www.hino-global.com/j/news_release/165.html

中型バス
日野レインボー2
東京地区仕様ノンステップ 約2000万円
http://www.hino-global.com/j/news_release/172.html
いすゞエルガミオ
東京地区仕様 約1980万円
http://www.isuzu.co.jp/press/2011/11_21erg.html
三菱ふそう エアロミディ都市型路線仕様 約1940万円
http://www.mitsubishi-fuso.com/jp/news/news_content/120906/120906.html

大型バス
日野自動車
ブルーリボン2 都市型ノンステップバス 約2500万円
ブルーリボンシティ ハイブリットノンステップバス 約2970万円
セレガハイデッカ(観光バスや高速バス用) 約3900万円
http://www.hino-global.com/j/news_release/165.html
三菱ふそう
エアロスター都市型 約2750万円
http://www.mitsubishi-fuso.com/jp/news/news_content/120420/120420.html

連接バス
岐阜バス 2台で1億4000万円(内、1億円分を国と市で補助)
1台あたり、約7200万円

浦安市の整備計画でも、1台7200万円としています。
http://www.city.urayasu.chiba.jp/secure/15257/3_1aratanakoukyou.pdf

※価格はいずれも新車

世間的に、小さいバス(モノ)は、大きいバス(モノ)よりもサイズが小さい分、価格が低いという気持ちや考えがある反面、排ガス規制強化などで開発コストがかかり、開発コストに見合うだけの販売数を得られないからとかで、近年は小型バスの車種統合が進んで、乗降りの多い路線バス用として使えるのは日野ポンチョぐらいです。

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