宇都宮・泉町通り、バーテンダーら「土曜清掃」

2015.7.10 07:00

『宇都宮・泉町通り、バーテンダーら「土曜清掃」』

 カクテルバーやスナック、飲食店が軒を連ねる宇都宮市中心部の歓楽街、泉町通りで毎週土曜夕、若手バーテンダーたちが清掃活動を続けている。メンバーらは「街のため、自分たちにできることから始めた」といい、明るく歩きやすい通りにして街の活気を取り戻そうという思いがある。

 ▼5月にスタート

 「感謝されて土曜日の営業が始まる。とてもいい気分です」。「夢酒(ムッシュ)OGAWAパイプのけむり」のバーテンダー、菊地雄二さん(34)はすがすがしい表情を見せ、職場に向かう。

 宇都宮市泉町、同市本町の約500メートルの泉町通りはバーや小料理屋、スナック、キャバクラなどが軒を連ねる。県庁や大通りに近く、仕事帰りの会社員をはじめ多くの酔客でにぎわう夜の街だ。

 5月中旬から土曜夕、菊地さんや「パイプのけむり武井」の堀田京介さん(25)らは、ほうきとちりとりを手に通りを歩いている。近所の高齢者や各店の店主らから「ご苦労さん、ありがとう」と声をかけられ、世代を超えた交流も広がる。路上にごみを捨てにくい街にする狙いもある。

 空き缶が数本置いたままという所が何カ所もあり、同店の崎山朝人さん(20)が持っていたごみ袋はどんどん重くなる。「きょうは空き缶が多かった。どういうごみが落ちているか意識するようになった」

 ▼周辺店舗と一体に

 「何かせずにはいられなかった。何から始めるか」。20年以上この通りで仕事を続けている「ガンダムBAR0079」店主、野沢浩一さん(45)は強い危機感を持っている。通りは小さな店が多く、長い不況の直撃を受けて活気を失った。「活気を復活させたい。自分たちがすぐできることは何かと話し合った」

 当初のメンバー以外にも賛同者が増えつつある。この日、和服姿のクラブ「花れん」店主、松尾英子さん(33)が参加。「泉町を明るいイメージにしたい。都合が付くときしか参加できないが、少しでも地域貢献できれば」と話す。

 清掃活動は初めの一歩。近づきにくい夜の街のイメージを明るく、清潔にするだけでなく、周辺店舗が一体となる機運につなげようという狙いがある。野沢さんは「メンバーが増えて交代で毎日1組出せれば。若い世代を巻き込み、通りを盛り上げるため、今後もいろいろ仕掛けたい」と意気込む。

http://www.sankei.com/region/news/150710/rgn1507100049-n1.html

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