消防ホース部品:3府県で計700点以上盗難 転売目的か

毎日JPより
『消防ホース部品:奈良・京都・三重で計700点以上盗難』

盗難が相次ぐ消防ホースの筒先=後藤由耶撮影
 奈良、京都、三重3府県の山間部を中心に、消防ホースの真ちゅう製筒先などが盗まれる被害が相次いでいる。警察や自治体などによると、被害は少なくとも19市町村・約480カ所で確認され、盗まれた筒先などは計700点以上に上る。奈良県警などは、真ちゅうの転売が目的とみて、窃盗容疑で捜査している。火災が発生しやすい師走を迎え、住民から「人の命にかかわる犯罪」と怒りの声が上がっている。

 地域の消防団などが管理するホースが被害に遭っている。奈良県北東部の山添村では昨年末から今春、約100カ所で、筒先やスタンドパイプ(消火栓とホースをつなぐ部品)など約200点が盗まれた。全30地区のうち24地区で被害があり、1週間に2度の地域もあった。

 筒先がないとホースとして使えないため、村は器具の維持補修費の7割を補助する規定を盗難の被害回復にも特例として適用したが、安価なアルミ製に替えても計約200万円かかった。村担当者は「初期消火ができず、救えるはずの命が救えなくなる」と憤る。

 被害は国道沿いを中心に広がり、奈良県では他に12市町村で被害があった。京都府南部で約100点、奈良県に接する三重県松阪市でも9月に約60点が盗まれたという。

 ホースを収納する格納箱は緊急時に対応できるよう無施錠で、同様の被害は全国でも起きている。被害が相次いだ滋賀県甲賀市は11月、補正予算で器具購入などの緊急対策費を計上。千葉県富津市では11月、消防ホースの先端を盗んだとして、水道設備業の男が窃盗容疑で逮捕された。消防ホース以外にもエアコン室外機、銅線、側溝のふたなどの金属盗が各地で相次いでいる。

 奈良県内では、筒先を住民しか知らない場所に移す▽箱を開けたことが外から見て分かるシールを貼る▽警報装置を付ける--などの対策を導入または検討している。また、不審車の目撃情報が警察に寄せられるなど住民の警戒心も高まっている。ただ、ある自治体関係者は「人を疑ってばかりでは心がすさんでしまう」と肩を落とした。【千脇康平】

毎日新聞 2011年12月4日 3時00分
http://mainichi.jp/select/jiken/news/m20111204k0000m040084000c.html

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